『廃棄物の処理及び清掃に関する法律』法改正の経緯
1970(昭和45)年の『廃棄物の処理及び清掃に関する法律』制定(施行は昭和46年9月)以来、廃棄物の種類や発生する問題等は常に新たなものが出てくるような状況であることから、同法(施行令や施行規則を含む)は対症療法的に頻繁に改正されてきました。
ここでは、主な改正の履歴について取り上げてみます。
1976(昭和51)年 改正
- 1.「措置命令規定の創設」
- 2.「再委託の禁止」
- 3.「処理記録の保存」
- 4.「敷地内埋立禁止
1991(平成3)年 改正(平成4年7月施行)
- 1.「目的の改正」
- 新たに廃棄物の排出抑制、分別及び再利用等が廃棄物の処理として明示
- 2.「国民、事業者、国/地方公共団体の責務」
- 新たに国民の責務を規程し、事業者、国/地方公共団体の責務を強化
- 3.「一般廃棄物処理計画」
- 一般廃棄物処理計画を市町村の全域を対象に策定
- 4.「特別管理廃棄物制度」
- 特別管理廃棄物制度を導入
- 5.「特別管理産業廃棄物管理責任者の設置と特別管理産業廃棄物管理票(マニフェスト)制度」
- 特別管理産業廃棄物管理責任者の設置と特別管理産業廃棄物管理票(マニフェスト)制度の発足
- 6.「産業廃棄物処理業の許可更新制度」
- 産業廃棄物処理業は、『産業廃棄物収集・運搬業』『産業廃棄物処分業』、『特別管理産業廃棄物収集・運搬業』『特別管理産業廃棄物処分業』の4区分に分類され、許可期限を5年とする許可更新制度を導入
- 7.「産業廃棄物処理業者の規制強化」
- 産業廃棄物処理業者の許可欠格条項の拡充および規制強化
- 8.「一般廃棄物処理施設の規制強化」
- 市町村が設置する一般廃棄物処理施設を除いて、設置の届出制を許可制に改めるなど規制を強化
- 9.「罰則強化、措置命令発動要件の緩和」
- 全般的に罰則の強化を行うとともに、措置命令の発動要件を緩和
- 10.「委託契約」
- 事業者が産業廃棄物の処理を委託する場合は、収集・運搬事業者、処分業者それぞれに対して、施行規則に定める事項を記載した文書(委託契約書)により契約を締結することとした。
- 11.「廃棄物処理センター制度」
- 特別な管理を要する廃棄物等の適正かつ広域的な処理を行う法人であって、その基本財産に地方公共団体から出資しているものを担当大臣が廃棄物処理センターとして指定する制度を導入
1993(平成5)年 改正(平成5年12月施行)
- 廃棄物の輸入に関する規制
- 廃棄物を輸入する場合には担当大臣の許可を、また、輸出する場合には担当大臣の確認を必要とし、輸入された廃棄物は産業廃棄物として取り扱われることに。
1994(平成6)年 改正(平成6年9月施行)
- シュレッダーダストに関わる施行令の改正
- ジクロロメタン等13物質を含む産業廃棄物が新たに特別管理産業廃棄物として指定。自動車、電気機械器具の破砕に伴って生ずる自動車等の破砕物(いわゆるシュレッダーダスト)等については、従来の安定型最終処分場から管理型最終処分場への埋立処分が義務付けられた。
1997(平成9)年 改正
- 1.「廃棄物の減量化・リサイクル促進」
- 廃棄物の減量化・リサイクル促進のため、多量排出事業者の処理計画で減量を明確化し、廃棄物の再生利用に係わる規制緩和が図られる
- 2.「産業廃棄物処理施設設置許可手続きの明確化」
- 設置者への生活環境影響調査の義務化。最終処分場、焼却施設については、都道府県知事等に対して、申請書等の告示・縦覧、利害関係を有するものの意見聴取、専門的知識を有する者からの意見聴取等の手続きの義務化、計画が周辺地域の生活環境の保全についての適正な配慮がなされたものであること、を許可要件に追加。
- 3.「最終処分場の廃止手続き」
- 最終処分場設置者は、埋立終了後の維持管理を適正に行うため、埋立期間中に維持管理費用をあらかじめ環境事業団に積み立てることが義務化。最終処分場を廃止する場合、当該処分場が技術上の基準に適合していることについて都道府県知事等の確認を受けた場合に限り廃止することが出来ることになった。
- 4.「廃棄物処理業の許可の欠格事項」
- 暴力団による不当な行為の防止等に関する法律に違反した者を追加し、対象法人役員の範囲を「相談役、顧問等を問わず、法人に対し取締役等と同等以上の支配力を有していると認められる者を含む」と変更。また、廃棄物処理業者は、自己名義で他人に処理業を行わせてはならないことになった。
- 5.産業廃棄物処理業者への委託基準強化
- 委託契約書に処理料金の明示等が追加
- 6.産業廃棄物管理票(マニフェスト)制度の変更
- 平成10年12月から適用範囲が全ての産業廃棄物に拡大され、産業廃棄物管理票(マニフェスト)に代えて電子情報処理組織を使用できることになった
- 7.罰則の強化
- 産業廃棄物投棄禁止違反等に対する罰則が強化
- 8.措置命令の対象追加
- 産業廃棄物管理票(マニフェスト)を交付しなかった者等が追加
- 9.廃棄物撤去等の措置命令手続きが簡素化・迅速化
- 廃棄物撤去等の措置命令が履行見込みがない場合や、原因者不明の場合には、都道府県知事等は自ら原状回復措置が可能となり、行政代執行法でなく廃棄物処理法で行うことが出来るようになり、手続きが簡素化・迅速化された。また、産業廃棄物適正処理推進センター制度が創設され、都道府県知事等に対して資金の出えん等の協力を行うこととなった。
- 10.焼却に伴うダイオキシン類規制強化
- 廃棄物の焼却に伴うダイオキシン類の排出を削減するため、施行令と施行規則が改正。焼却施設の構造・維持管理基準の見直し、小規模施設に対する規制強化のため許可範囲の見直し、野外焼却防止のための処理基準の明確化、最終処分場の裾きり撤廃、ミニ処分場に対する規制が強化された。
2000(平成12)年 改正
- 1.「国の基本方針策定」
- 2.「都道府県廃棄物処理計画の策定」
- 3.「都道府県が行う(特別管理)産業廃棄物の処理」
- 4.「多量排出事業者の処理計画の策定」
- 5.「廃棄物処理センター制度の見直し」
- 6.「廃棄物処理業許可の取り消し等の案件追加」
- ①他人に対して違反行為を要求し、依頼し、若しくは唆し、又は違反行為を助けたとき
②暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者、暴力団員等が事業活動を支配する法人等
③事業の用に供する施設、処理業者の能力が基準に適合しなくなった場合
を追加 - 7.「処理施設設置許可要件の追加」
- 8.「産業廃棄物管理票(マニフェスト)制度の見直し」
- 9.「産業廃棄物の野外焼却等の規制
- 10.「支障除去等措置命令の強化」
- 不適正処分に関する支障の除去等の措置命令の強化
- 11.「罰則の強化」
- 産業廃棄物管理票(マニフェスト)不交付、焼却の禁止規定違反に対し新たに罰則を設けた。また、不法投棄、無許可営業、無許可処理業者に対する委託等違反の罰則強化
2001(平成13)年 改正(平成6年9月施行)
- 1.「新たな処理施設の対象」
- 1日あたりの処理能力が5tを超える「木くず又はがれき類の破砕機」が新たに処理施設の対象に
- 2.「PCB関連」
- 「PCB」をポリ塩化ビフェニルと改め、汚染物に塗布され、染み込み、付着し、又は封入されたポリ塩化ビフェニルの分解施設等を設置の許可を要する処理施設に追加するとともに、告示・縦覧等を必要とする処理施設とした。
- 3.「と蓄場法及び食鳥処理法関連」
- と蓄場法に規程すると蓄場においてとさつし又は解体した獣蓄、食鳥処理法に規程する食鳥処理場において食鳥処理した食鳥に係わる固形状の不要物を産業廃棄物に追加
2002(平成14)年 改正(平成6年9月施行)
- 1.「し尿等の処理物の海洋投入処分を禁止ヶ
- し尿等の処理物について、海洋投入処分を行うことが出来る一般廃棄物から削除し、海洋投棄処分を禁止した。
- 2.産業廃棄物排出事業者の契約添付書面の保存
- 委託契約書およびその添付書面は契約終了日から5年間保存することが委託基準に追加さた。
- 3.「コンクリートくず」を明示
- コンクリート製の製造工程から発生するコンクリート部品の不良品等の廃棄物について、「ガラスくず及び陶磁器くず」に含まれるとしていたが、これを「ガラスくず、コンクリートくず(工作物の新築、改築または除去に伴って生じたものを除く)及び陶磁器くず」と変更し、明示された。
- 4.「管理型最終処分場の排水基準に3項目追加」
- 平成13年7月に水質汚濁防止法に基づく特定施設に係わる排水基準にホウ素及びその化合物、フッ素及びその化合物、並びにアンモニア、アンモニア化合物、亜硝酸化合物及び硝酸化合物の3項目の排水基準が設定されたことから、管理型最終処分場の排水基準にこの3項目を追加。
- 5.「ダイオキシン類対策特別措置法関連」
- ダイオキシン類対策特別措置法の特定施設のうち、ダイオキシン類を一定以上含む製鋼用電気炉及びアルミ合金用ばい焼炉等から生じるばいじんや水質規制の対象となる特定施設を有する工場等から生じる汚泥、廃酸又は廃アルカリを焼却炉から排出されるばいじん等と同等の処分基準を適用すべく、特別管理産業廃棄物に追加した。
- 6.「ダイオキシン類を含む汚泥のコンクリート固化施設」
- ダイオキシン類を含む汚泥のコンクリート固化施設が、設置に際して許可が必要な産業廃棄物処理施設に追加された。
- 7.「特別管理産業廃棄物の追加」
- 「ジクロロメタンの洗浄施設から生じる廃油、および、ジクロロメタンの洗浄施設又は蒸留施設を有する工場等から生じ、ジクロロメタンを一定維持用含む汚泥等を特別管理産業廃棄物に追加した。
2003(平成15)年 改正
- 1.「国の責務の明確化」
- 2.「廃棄物処理施設整備計画の策定」
- 3.「事業者の一般廃棄物の委託による措置」
- ①事業者は、その一般廃棄物の処理を他人に委託する場合には、一般廃棄物処理業者等に委託しなければならないとともに、委託しようとする一般廃棄物の処理がその事業の範囲に含まれるものに委託しなければならない。
②特別管理一般廃棄物の処理を委託する場合は、あらかじめ、委託する特別管理一般廃棄物の種類、数量、性状等を文書で通知することとした。 - 4.「廃棄物処理業及び廃棄物処理施設の設置許可手続き等の適正化」
- 5.「廃棄物処理業等の許可に係る特例」
- 6.「報告の徴収および立入検査の拡充ヶ
- ①市町村長、都道府県知事又は担当大臣は、廃棄物である疑いのある物について報告の徴収および立入検査ができるようにした。
②担当大臣は、廃棄物又は廃棄物である疑いのある物を輸出した者について、報告の徴収および立入検査ができるようにした。 - 7.「罰則の強化」
- 廃棄物の不法投棄および不法焼却に対する未遂罪を新設
- 8.「ダイオキシン類対策特別措置法の一部改正による改正」
- 4-クロロフタル酸水素ナトリウムの製造の用に供する施設および2,3-ジクロロ-1,4-ナフトキノンの製造の用に供する施設のうち、ろ過施設や排ガス千条施設等から排出される汚泥。、廃酸、廃アルカリについて、ダイオキシン類が一定の基準を超えるものを特別管理産業廃棄物に追加
- 9.「BSE(牛海綿状脳症)関連の特例」
- BSEに対する規制強化によって、死亡牛が明確に廃棄物として扱われることから、死亡牛のみの収集・運搬を業として行う者および化成場において死亡牛のみの処分を業として行う者に対し、産業廃棄物処理業の許可を不要とする特例を設けた。
2004(平成16)年 改正
- 1.「PCBが不着したものを特別管理産業廃棄物に追加」
- 「汚泥のうちポリ塩化ビフェニル(PCB)が染み込んだもの」および「がれき類のうちポリ塩化ビフェニル(PCB)が付着したもの」を特別管理産業廃棄物に追加
- 2.「処理基準・許可基準のPCB廃棄物に係わる規程」
- PCB廃棄物の適正な収集・運搬を確保するため、処理基準・許可基準においてPCB廃棄物に係わる規程を設けた
- 3.「自動車リサイクル法の施行による使用済み自動車等の保管基準」
- 使用済み自動車等の実態に即した保管基準を設けた
- 「廃棄物処理施設の設置許可申請に係る生活環境影響調査書の添付の特例」
- 「処理施設の事故時の応急措置及び都道府県知事への届出の義務化」
- 「産業廃棄物の不適正処理事案に係る環境大臣による指示規定の創設」
- 「運搬車への表示、書面備え付けの義務付け」
- 「罰則の強化」
2005(平成17)年 改正
- 1.「産業廃棄物関連事務」
- 産業廃棄物関連事務を行ってきた保健所設置市は、政令指定都市と中核市が行うことに
- 2.「罰則強化」
- 無確認輸出の未遂罪や予備罪の新設
- 3.「補助金の規程を廃止」
- 一般廃棄物処理施設整備に対する国庫補助金が廃止され、循環型社会形成推進交付金制度がスタートすることから廃棄物処理法の中にある補助金の規定を廃止。
- 4.「産業廃棄物管理票制度の強化(記載項目の追加、保存義務化など)」
- 5.「無許可営業罪等に係る法人重課規定の創設」
- 6.「産業廃棄物処理業者が産業廃棄物の処理を行い、又は委託する際に係る法の適用関係を明確に」
- 7.「最終処分場の維持管理積立金制度の対象拡大」
- 8.「許可の厳格化等」
2006(平成18)年 改正
- 1.「無害化処理認定制度の創設」
- 2.「石綿含有廃棄物の処理基準の創設」
- 3.「石綿含有廃棄物等の溶融施設について」
- 4.「特別管理産業廃棄物(「廃石綿等」)について」
- 5.「産業廃棄物管理票(マニフェスト)の報告書について 」
- 6.「廃棄物処理業等の許認可申請手続き等について 」
2008(平成20)年 改正
- 1.「産業廃棄物の「木くず」の区分について 」
- 「木くず」については、建設業、家具製造業、パルプ製造業などの特定の業種に係るもののほか、PCBが染み込んだものを産業廃棄物の「木くず」として定め、それ以外のものは一般廃棄物として取り扱われてきましたが、事業系一般廃棄物となっている木くずのうち、「物品賃貸業に係る木くず」及び「貨物流通のために使用したパレット(パレットへの貨物の積付けのために使用したこん包用の木材を含む。)に係る木くず」が産業廃棄物として追加されることになりました。
参考URL:http://www.pref.miyagi.jp/gyokei/gyokei-ser/kensyo/siryou5.pdf

