信頼おける産業廃棄物処理事業者への業務委託と管理責任
前述の不法投棄は、産業廃棄物を排出した事業者が行ったものの他に、事業者が処理を委託した産廃処理事業者が行うこともあります。つまり、産業廃棄物の処理を都道府県の許可を受けた産廃事業者に委託し、産業廃棄物管理票(マニフェスト)を受け取っていても、その産業廃棄物管理票(マニフェスト)自体が偽造され、適切な処理がなされず不法投棄される、といったことが起こりうるのです。
そこで、受託処理業者の不適正処理により不法投棄などが起こった場合に、排出者がどこまで責任を負うかが問題となります。
これは、廃棄物の内容を確認することによって排出者を特定することはできても直接の投棄者が特定できなかったり、処理業者(不法投棄者)に資力がなく(計画倒産する、というケースも・・・)撤去費用の負担などを負いきれなかったりすることが多いため、その責任を排出者側に求めることが出来るかどうか?ということです。
従来は、都道府県の産業廃棄物担当部局は排出者の管理状態などを精査し問題があるようなケースでは(中には排出者の管理に問題がなくても「当然の排出者責任」として)排出者に撤去費用などの負担を求めてくることもあるようでしたが、民法709条「過失責任の原則」により、特に定めのない限り、過失がない者には民事上の責任は発生しないため、排出者に過失がないと認められる場合は、不法投棄などがあった場合でも、排出者が民事上の法的責任を負う根拠は存在しないとされています。
即ち、産業廃棄物処理事業者を選定する段階での選考方法、処理委託後の管理責任が重要である、といえます。

